出生前の検査
お腹の赤ちゃんの状態について詳しく知りたい方のために、当クリニックでは出生前検査を行っています。
医師による十分な説明のもと、ご希望に応じて「NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)」「胎児超音波スクリーニング検査」「羊水検査」「クアトロ検査」に対応しています。
NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)
お母さんの採血のみで、
赤ちゃんの染色体疾患リスクを調べる非侵襲的な検査
NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)は、お母さんの血液中に浮遊している「赤ちゃんのDNA成分」を分析し、特定の染色体疾患の可能性を調べる検査です。従来の検査に比べて精度が高いとされており、また、採血のみで行えるため、赤ちゃんへの直接的なリスク(流産など)や負担が少ないとされています。
当院のNIPT検査3つのポイント
1.出生前検査認証制度の「認証施設」
当院は、日本医学会の「出生前検査認証制度等運営委員会」より認定を受けた連携施設です(2025年10月1日認証)。
適切なカウンセリング体制のもと、検査内容について十分にご説明したうえで検査を実施します。

※バナーをクリックすると、出生前検査認証制度等運営委員会の公式サイトが開きます。
2.「初期精密超音波検査」をセットで実施
NIPTは「染色体(設計図)」を調べる検査であり、心臓の形や脳の構造などの「形態(形)」の異常は判別できません。当院では超音波専門医、超音波技師らによる精密エコーを併せて行うことで、より多角的な評価を行います。
3.効率的な事前学習システム
受診時間を有効に活用いただくため、事前学習動画とオンライン問診を導入しています。あらかじめ知識を深めていただくことで、当日の外来時間を短縮し、より深い相談に時間を割くことが可能です。
● 検査でわかること
赤ちゃんの成長に大きく関わる、3つの染色体疾患(トリソミー)に関するリスク(可能性)を評価します。
【ダウン症候群(21トリソミー)】
一般的出生確率は600~800人に1人ですが、年齢が上がるにつれて確率は上昇し、特に35歳を過ぎると上昇の幅が大きくなる傾向があります。年齢によって出生確率は以下の通りです。
母体年齢別の出生確率(目安)
・20歳:約1,667人に1人(約0.06%)
・25歳:約1,250人に1人(約0.08%)
・30歳:約952人に1人(約0.1%)
・35歳:約385人に1人(約0.26%)
・40歳:約106人に1人(約0.94%)
・45歳:約30人に1人(約3.3%)
しかし、確率自体は高齢になるほど高いですが、分母となる「出産する人の数」は20代~30代前半の方が多いため、実際にダウン症として生まれてくる赤ちゃんの約半数は35歳未満のお母さんから誕生しているという統計もあります。「若いからゼロ」ではないという点に留意が必要です。
ダウン症は心疾患、消化器系疾患などの病気を合併する場合があります。また、生後の身体や言語の発達は全体的にゆっくりですが、適切な成育環境(療育など)によって成長発達を促すことができます。
【エドワード症候群(18トリソミー)】
一般的な出生確率は約3,500~8,500人に1人です。全身の成長遅延や重度の心疾患に加え、小脳低形成・無形成などの脳の構造異常、呼吸・食事の困難を伴うことが多く、日常的に医療的なサポートを必要とします。以前は1年生存率が10%未満で平均生存期間が短いとされていましたが、現在は積極的な心臓手術や集中治療により、1歳生存率が約25%~70%以上、手術を受けたケースでは5歳生存率が80%を超えるという報告もあります。
【パトウ症候群(13トリソミー)】
一般的に5,000~10,000人に1人の割合で出生するといわれています。パトウ症候群は、ダウン症やエドワード症候群と比較しても最も合併症が重く現れやすい傾向があります。身体的特徴として、脳が左右に分かれない全前脳胞症、重度な顔面奇形、ほぼすべての症例に見られる複雑な心疾患、腹壁破裂や臍帯ヘルニアなどの内臓の脱出、生命維持に直結する重篤な合併症が複数重なるのが特徴です。予後については極めて厳しく、多くの赤ちゃんが生後数日から数週間で亡くなり、平均生存期間は7~10日程度、1年生存率も5~10%未満とされています。脳の重篤な異常がある場合は積極的な外科手術に耐えられないことも多く、現代の医療をもってしても生命維持が非常に困難であり、多くの場合で生後間もなく短い生涯を終えるという極めて厳しい現実があります。
● 検査の詳細
検査方法:妊婦さんからの採血(10~20mL)
推奨時期:妊娠12週~14週
カウンセリング実施日:火、水、金、土(完全予約制)
● 対象となる方
※原則、ご夫婦揃っての受診・カウンセリングが必要です。
・高齢妊娠の方
・過去に染色体数的異常を有する児を妊娠した経験のある方
・胎児超音波検査で染色体異常の可能性を示唆された方
・両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有している方
・染色体異常の妊娠の可能性について不安な方
● 費用と担当医
NIPT検査料:132,000円(税込)
※カウンセリング、初期精密超音波検査を含みます
<カウンセリング単体料金>
30分以内:11,000円(税込)
45分以内:13,750円(税込)
45分以上:16,500円(税込)
※受診時間を有効に活用いただくため、事前学習動画とオンライン問診を導入しています。あらかじめ知識を深めていただくことで、当日の外来時間を短縮し、より深い相談に時間を割くことが可能です。【詳しくはこちら】
<カウンセリング担当医>
野口芙香 医師:日本産婦人科遺伝診療学会認定医
中田恵美里 医師:日本臨床遺伝専門医
近藤朱音 医師:日本臨床遺伝専門医
宇田川治彦 医師:日本産婦人科遺伝診療学会認定医
※その他、カウンセリング資格保持者
精密超音波検査:超音波専門医、超音波士、臨床検査技師(下記胎児超音波スクリーニング検査参照)
● 検査後のフォローアップ
万が一、NIPTの結果が「陽性」となった場合は、羊水検査による確定診断が検討されることがあります。
その際は、当院の連携施設である千葉大学医学部附属病院へ速やかにご紹介し、万全の体制でサポートいたします。
● ご予約・事前学習
1.事前学習:予約前に、当院指定の資料および動画をご覧ください。
2.ご予約:当院予約アプリ「@link」、または窓口にて承ります。
● メッセージ
「赤ちゃんに何かあったらどうしよう」という不安は、多くのお母様が抱えるものです。検査を通じて現状を正しく知ることは、前向きな準備への第一歩となります。当院のスタッフが、皆様のご家族の決断を全力でサポートいたします。
胎児超音波スクリーニング検査
赤ちゃんの「今」を詳しく知り、
健やかな「未来」へつなげるために
通常の妊婦健診で行われる「一般超音波検査」は、主に赤ちゃんの成長を確認するための3分程度の検査であり、詳細な形態異常の検出を目的としたものではありません。そのため、一般検査のみでは、出産まで胎児の異常に気づけない可能性があります。
胎児の異常には、出生後に落ち着いて治療を始めるものから、出生直後の緊急処置を要するものまで様々です。「事前に状態を知る」ことは、分娩時の迅速な対応につながり、分娩時や出生後の対応を検討するための重要な情報となります。
当院では、超音波診断装置を用い、専門チームによる「胎児超音波スクリーニング」を実施しております。NIPT検査だけでは見えない、心臓や脳などの詳細な構造まで確認します。ご両親がお腹の赤ちゃんの健康状態を詳しく把握し、出産や出生後の対応を検討できるようサポートいたします。
● 検査の概要
最新の国際的なガイドライン(日本産科婦人科学会、日本胎児心臓病学会、アメリカ心エコー学会(ASE)胎児心エコーガイドライン)、イギリスFMF診療ガイドラインに基づき、赤ちゃんの全身を医学的に評価します。
1.初期スクリーニング(12~14週)
全身のプロファイル(横顔)から鼻骨の有無や首の後ろのむくみ(NT)をチェックします(NT検査は13週6日まで)。
また、出生直後に医療的対応を要する可能性のある心奇形など、早期に判明する形態的特徴を精査します。
2.中期・後期スクリーニング(18~20週/28~30週)
臓器の形成が進むこの時期に、より詳細な評価を行います。
<頭部・脳(中枢神経系)>
小脳の形状や頭蓋骨の形態を確認し、二分脊椎などの神経管閉鎖障害を早期に発見します。脳の正中線が正しく通っているかも精査します。
<顔面・目>
水晶体(目のレンズ)の確認や、口唇・口蓋(お顔の表面の裂)の有無を精密に確認します。
<胸部・心臓(循環器)>
心臓の4つの部屋、壁の欠損、弁の機能、主要な血管の接続と狭窄の有無を精密に確認します。必要に応じて「心機能検査」を追加し、ポンプ機能を評価します。
<腹部・臍帯(へそ帯)>
胃・胆嚢・腎臓・膀胱などの臓器の状態や、腹腔内の異常を確認します。また、へその緒が腹壁に正しくつながっているか(腹壁破裂や臍帯ヘルニアの有無)をチェックします。
<脊椎・骨格>
頸椎から腰までの脊椎を一列に確認し、脊髄の保護構造を評価します。大腿骨等の長さや、指の分かれ方など、全身の骨格を確認します。
3.高精度3D/4Dエコーの役割
顔面の形態や骨格、神経管疾患を立体的に把握するために活用します。医学的診断を最優先としつつ、ご家族の思い出として4Dエコー写真をお渡ししています。
● 専門チームのご紹介
検査結果については、国内・海外の医師が専門的な知見をもとに評価を行います。
• 鹿野良誠 医師:日本超音波医学会専門医・指導医、FMF認定超音波専門医
• 川瀧元良 医師:小児循環器内科医、胎児心臓外来最高顧問
• 近藤朱音 医師:日本超音波医学会専門医・指導医、臨床遺伝専門医
• 田中明子:日本超音波医学会超音波検査士(産婦人科領域)、助産師
• 宮内恵美:臨床検査技師(胎児スクリーニング専門)
• 海外顧問:Chiu, Wei-Hsiu, PhD(台湾):胎児超音波分野の研究者
※その他、周産期新生児専門医、FMF資格保持者が多数在籍しております。
万が一、高度な治療が必要な異常が見つかった場合は、速やかに高度専門医療機関へご紹介いたします。軽度な異常や経過観察が必要な場合は、当院にて継続的な経過観察や診療を行います。
<連携施設>千葉大学医学部附属病院、千葉県立こども病院、東京大学病院、神奈川県立こども医療センターなど
● 検査の時期と費用
• 対象疾患:全ての形態異常を伴う先天性異常および疾患
• 時期: ①初期(12-14週) ②中期(18-20週) ③後期(28-30週)
• 検査費用:初期25,000円/中期・後期各20,000円
• 所要時間:約20~30分(完全予約制)
• 実施日: 月・火・木・金・土・日
• 結果説明: 当日、画像をお見せしながら詳しくご説明いたします。
• 特典:検査結果レポート、エコー写真、記念4Dエコー写真
● ご予約方法
当院予約アプリ「@link」よりお申し込みください。
※予約枠がいっぱいの場合は、お電話にてご相談ください。
● 当院からのメッセージ
赤ちゃんの健康は、ご家族全員の願いです。当院のスクリーニング検査は、ご家族どなたでも立ち会い可能です。ぜひ皆様で、赤ちゃんの成長を見守る貴重な時間をお過ごしください。
より安心なマタニティライフのために、ご不明な点はスタッフまでお気軽にお尋ねください。
羊水検査
お母さんのお腹から細長い針を用いて子宮内腔に穿刺し、羊水を採取することにより、羊水中に含まれている胎児の細胞を調べ、胎児に染色体の変化(染色体数や構造の異常)があるかどうかを調べる検査です。
● 当院では下記の条件を一つでも満たした場合は、羊水検査を受けることは可能です。
1.夫婦いずれかあるいは双方が染色体異常の保因者
2.染色体異常児を分娩した既往のある方
3.高齢出産
4.母体血清マーカー検査で胎児染色体異常が疑われる場合
5.胎児超音波検査で胎児染色体異常が疑われる場合
6.その他、重篤な胎児異常のおそれがある場合
※当院でのNIPT検査で胎児染色体異常が疑われる場合、千葉大学医学部附属病院へ紹介となります。
● 検査方法
下腹部を消毒した後、超音波で胎児と胎盤の位置を確認しながら、細い針を腹壁から羊水腔に刺入し、羊水を約20mL採取します。穿刺部位には、必要に応じて局所麻酔を行います。検査による子宮内感染を予防するため、抗生物質が処方される場合があります。また、検査前後には子宮収縮抑制剤を服用していただくこともあります。
検査は通常、妊娠16~17週頃に行います。検査結果に基づいて妊娠中絶を考慮する場合は、妊娠21週までには結論を出す必要があります。そのため、妊娠18週までに検査を済ませることが望ましいとされています。
【費用】 110,000円(G-Band検査のみ)
【検査結果】 14日間
● 検査の限界
このG-Band検査は胎児の染色体異常を早期発見するために行われますが、検出できるのは染色体の数や構造の異常のみです。その他の多くの奇形や先天性疾患は診断できません。また、染色体異常についても、微細な異常やモザイク(正常な細胞と異常な細胞が混在している状態)などは検出されない場合があります。
クアトロ検査
クアトロ検査は、お母さんの血液中の4種類の物質の濃度を測定することで、お腹の赤ちゃんがダウン症候群などの染色体異常を持っている可能性を計算する検査です。結果は「陽性」や「陰性」ではなく、確率(例えば 1/50)で示されます。確率が高い場合は、羊水検査などの確定診断を受けるか、より詳しい画像診断が必要かどうかを判断する材料となります。検査を受ける前に、医師から詳しい説明を受けてください。
● 検査対象となる染色体疾患
ダウン症候群(21トリソミー)、エドワード症候群(18トリソミー)、開放性神経管奇形(二分脊椎や無脳症)
● 検査方法
妊婦さんの血液を少量採取し、血液中に含まれる4つの成分(AFP、hCG、uE3、Inhibin A)を測定します。これらの成分は、妊娠中に胎児または胎盤で作られます。それぞれの値は妊娠週数によって変化しますが、胎児に特定の疾患がある場合、通常とは異なる値を示すことがあります。
● 検査を受けられる時期
推奨検査時期は、妊娠15週から16週頃までです。
妊娠15週0日から21週6日まで検査することが可能ですが、クアトロテストの結果を見てから羊水検査を受ける場合があるため、16週頃までに受けることが望ましいです。なお、妊娠15週未満では検査できません。
● 確率について
確率が1/500だった場合、次のように解釈します。
「同じ1/500(0.2%)という結果になった妊婦さんが500人いたとしたら、そのうち1人(0.2%)がお腹の赤ちゃんに染色体異常がある可能性があります。残りの499人(99.8%)
の妊婦さんの赤ちゃんには、染色体異常はありません。」
● クアトロ検査とNIPT検査の比較まとめ
NIPTに比べてクアトロ検査の正確性は低くなります。具体的に検査の「感度」、および「陽性的中率」で比較するとその差が明確です。
1.感度(実際に対象疾患がある場合に、陽性と判定される確率)
赤ちゃんのDNAを直接分析するNIPTの感度は約99%と非常に高く、対象疾患をほぼ確実に捉えます。対してクアトロ検査は血液中の成分から確率を算出するため、感度は約80%に留まり、5人に1人程度は見落とされる可能性があるという精度の差があります。
※NIPTとクアトロ検査は検査原理が異なり、検出率や結果の示し方に違いがあります。
2.陽性的中率の違い(結果の正しさ)
「陽性」と出た際に実際に疾患がある確率(陽性的中率)は、NIPTの方が圧倒的に高いです。例えば35歳の場合、NIPTの陽性的中率は約80%以上ですが、クアトロ検査は約5%程度です。つまり、クアトロ検査で「陽性(高リスク)」と出ても、実際には後日羊水検査を行い、赤ちゃんに疾患がないケースが大部分(約95%)を占めます。
● 料金
22,000円(税込)
● 検査結果
2週間程度



